A.北九州市八幡西区の亀山歯科クリニックの亀山秀一郎です。

歯ぎしりとはグラインディングともいい、寝ている間に無意識に上下の歯をこすり合わせて「カリカリ」「ギリギリ」などと音を出すことをいいます。その他、上下の歯をカチカチと小刻みに接触させるタッピング、グっと力をいれて食いしばるクレンチングなどと合わせて「ブラキシズム」と総称されていますが、日本ではこれらを含めて歯ぎしりと言われています。

歯ぎしりの悪影響には次のようなものがあります。

1) 歯が削れたり、折れやすくなる 普段の食事で上下の歯にかかる力はそれほど強くありません。しかし、睡眠中など無意識下で起こるブラキシズムは、1点に自分の体重〜それ以上の力がかかるといわれています。これにより、上下の歯がすり減って削れたり、折れたりするリスクが高まります。
2)象牙質が露出し、知覚過敏になりやすい 上下の歯をこすり合わせることで歯のエナメル質が破壊されていくと、象牙質が露出し、知覚過敏になりやすくなります。
3)歯周病が悪化しやすい すでに歯周病にかかっている場合、ブラキシズムによって歯槽骨などの歯周組織に破壊的な力がかかり、歯槽骨の吸収が進んでさらに歯周病が悪化してしまいます。これを「咬合性外傷」と呼んでいます。
4)セラミックなどの人工歯が割れやすくなる セラミックの詰め物や被せ物がある場合、ブラキシズムによって破壊的な力がかかるため、非常に割れやすくなります。
5)顎関節症が悪化しやすい ブラキシズムにより顎の関節や筋肉に過剰な負担がかかり、痛みを生じたり、口が開きにくくなるなど、顎関節症が悪化する可能性が高まります。

治療法として当院ではまず、スプリント療法を行います。スプリントと呼ばれるマウスピースを自分の歯型に合うようにオーダーメイドで作成し、就寝時に装着します。 ブラキシズム時に上下の歯が物理的に接触することを防ぎ、歯にかかる負担を軽減してくれる効果があります。 また、顎関節や筋肉にかかる負担を和らげ、かみ合わせの適切化も図ります。